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ブナの森温身平

体験レポート〜ブナの森温身平〜


森林セラピー基地「ブナの森温身平」で、2006年9月29日(金)~10月1日(日)、森林セラピー実践パイロットプロジェクトが実施されました。 当日は冒険家で地球元気村村長の風間深志さん、俳優の吉本多香美さんを含む20名のモニターをはじめ、全国の国・自治体関係者、講師など計150名が参加し、アロマテラピーや森林散策などの森林セラピーメニューの体験・見学がおこなわれました。 3日間にわたるプロジェクトの様子をレポートします。

森林セラピー基地の概要


山形県小国町の最南端部にある森林セラピー基地「ブナの森 温身平」は、磐梯朝日国立公園区域内に位置する美しい原生林です。樹齢250年、高さ30mを超えるブナの老木や森の巨人たち100選にも選ばれたヤチダモの大木をはじめ、四季折々の美しい森を満喫することができます。温身平を囲むように流れる清流の音や、美しい小鳥のさえずり、柔らかな木漏れ日に包まれながら、ゆったりとした森の時間をお楽しみいただけます。

また、近隣には天然温泉と郷土料理が自慢の宿泊施設のほか、ワラビ採りが体験できる観光ワラビ園や、地元のマタギ文化にふれることができる「マタギの郷交流館」などもあります。

セラピーロードの概要


温身平には全部で5本、総延長約5.5kmの散策路があります。メインルートは約1.3km(平均斜度2.8%、片道30分)で、子供からお年寄りまで楽しめるなだらかで歩きやすい散策道です。終点付近の広場では、美しい飯豊連峰の山々を間近に見ることができます。

サブルートは自然の地形をそのまま活かした土の道で、森との距離感もグンと近くなります。川面から吹き上げる涼しい風の感触や、柔らかい森の香りを肌で楽しむことができます。カモシカやリスにも会えるかもしれません。

1日目


前日まで降っていた雨が上がった秋晴れの空の下、JR赤湯駅に集合した参加者の皆さんは、バスで1時間ほどかけて、小国町の中央部に位置する「健康の森横根」へ到着しました。途中、黄金色の稲穂が揺れる田園風景や、渓流が轟音を響かせる峡谷など、美しい風景を車窓からお楽しみいただきました。

アロマテラピー体験健康の森では、雑穀や有機野菜などを使ったヘルシーな昼食とオリジナルブレンドのハーブティーを堪能していただいた後、町の保健師による血圧・脈拍測定・問診などの健康チェック、成増厚生病院(東京都、新貝憲利院長)の臨床心理士らによるインテーク面接などをおこないました。
その後、日本アロマ環境協会の佐々木薫先生、古後匡子先生を講師として、アロマテラピー体験がおこなわれました。アロマオイルを使い、2人組で手や指をマッサージし合う「アロマトリートメント」で、長旅の疲れを癒しました。

1時間半のアロマ体験の後、町の南部に位置する国民宿舎「梅花皮荘」へ移動し、自律訓練法を実施しました。
自律訓練法とは、ドイツで開発された自己催眠法であり、ストレスや神経症等の治療技法にも用いられます。今回は成増厚生病院の新貝院長や臨床心理士らの指導により、上質なリラクゼーションを提供する手法として、メニューに取り入れることができました。

舟山堅一さん夕食前には屋外特設会場で、地元の現役マタギである舟山堅一さんに、クマ狩りや山での体験などを語っていただきました。参加者の皆さんは、自然の中で、自然を敬いながら生きる喜びを語る舟山さんの話しに熱心に耳を傾けていました。また、会場にはかがり火が灯され、幻想的なひとときを楽しみました。

夕食はウェルカムパーティー風のブッフェスタイルで、管理栄養士平野美由紀先生の栄養学やデトックスに関する知識と、梅花皮荘料理長舟山真人さんの郷土料理の技術により開発した斬新なメニューを提供しました。
夕食後には女性グループMODEA(モーディア)によるミニライヴもおこなわれ、温身平をイメージしたオリジナル曲をはじめ、森や自然をテーマとした演奏を楽しみました。また、梅花皮荘自慢の、800年の歴史を有する天然温泉にゆっくりとつかり、一日の疲れを癒していただきました。

2日目


朝7時、フィットネスインストラクター山岡有美先生の指導により、呼吸法とストレッチを中心とするオリジナルフィットネスをおこないました。澄み切った朝の空気の中で、森と大地のエネルギーを感じながら、心と身体をゆっくりと解きほぐすことができたと思います。

グリーンドック朝食後、ブナの森温身平のセラピーロードへ移動して、今回のメインイベントである森林セラピーを実施しました。参加者の皆さんは、森林インストラクターやマタギとして活躍している5名のガイドに導かれ、五感を使って森の恵みと触れ合いました。
また、森の中では、小国町立病院阿部吉弘院長による心と身体の健康相談「グリーンドック」がおこなわれました。
昼食には小国の山の幸、川の幸を詰め込んだランチボックスを味わい、ピクニック気分を楽しみました。

アロマテラピー温身平を散策した後、再び梅花皮荘へ戻り、不知火病院(福岡県大牟田市)の徳永雄一郎院長より、「ストレスマネジメントと森林セラピー効果」と題して講演していただきました。当日体験した森林セラピーの効果を再認識するとともに、日々のストレス管理について学ぶことができました。
講演終了後、前日と同様にアロマテラピーと自律訓練法を実施しました。アロマテラピーについては、各種アロマオイルを好みに応じて調合し、オリジナルの香りづくりに挑戦しました。いずれも上質なリラクゼーションを演出する取り組みとして、高く評価されました。

夕食には、地域の旬の食材を使って、伝統料理をベースにアレンジした料理を提供しました。夕食後は、前日同様800年の歴史を誇る名湯と、ブナの森から流れる美味しい天然水で心身ともにリラックスしていただきました。

3日目


森林レクチャー 前日より一層冷え込んだ空気の中、山岡先生によるフィットネスがおこなわれました。前日とは違う内容も盛り込まれ、寒さを忘れて楽しみながら全身をほぐしました。

朝食後、バスで再び健康の森横根へ。途中、町内有数の景勝地である樽口峠で飯豊連峰の大眺望を楽しみました。
健康の森では、東京農業大学助教授上原巌先生による森林レクチャーをおこないました。森がもつ癒し効果の説明や、それを活用している企業の事例などが紹介され、また、森の香り・音・空気を肌で感じる森林体験の実践もおこなわれました。

最後に、森林セラピー効果を測定するアンケートを実施。また、それらをもとに今後の日常生活へのアドバイスや次回の目標設定なども提案されました。

モニターVOICE

森林セラピープロジェクトに参加したお二人。どのような感想をもたれたのでしょう?

「森林とのつながり」

全国町村会 広報部 片岡志穂さん

欧州では、ブナは「森の母」と呼ばれ、周りの環境を豊かにする木として知られる。ブナの落ち葉が腐食し、土壌は肥え、様々な生き物の命を育み、雨や雪解け水を根元にため込む。

小国の森は、こんな天然のブナが多く育つ、「豊穣」という言葉がぴったりの、緑あふれるところであった。
「疲れたらこの森に来ようというふうに、森とのパイプをつなげておくことが大切です。」
体験最終日、講師の先生がおっしゃる。

小国に行く前は、森林とのつながりについて考えもしなかった。そもそも、自然との接点などほとんどない生活を送っていた。せいぜい、近所の公園を散歩するくらいだろうか。
日頃の疲れやストレスは、岩盤浴やエステで解消できる…。自分にそう言い聞かせ、生活からマイナス分子を追いやっていた。しかし、毎日澱のようにたまっていく疲れは、なかなかしぶといものなのだ。

そこで今回の森林セラピーである。新幹線で東京から二時間半、そこからバスでおよそ一時間のところに、基地は広がる。アクセスは決して良くないが、たどり着くまでの過程で、まずは日常生活から切り離されたと実感する。
森の中を歩き、あたりに漂う穏やかな香りを楽しみ、木に触れる。
「木は、動きもしなければ話もしません。だまって、私たちを受け容れてくれるのです。」
いつしか、自分や自分を取り巻く生活を外側から素直に見つめるようになり、気分が落ち着いていくのがわかった。久しぶりに、穏やかな気持ちになる。

せっかくできた森林とのつながり、私は大事にしていきたいと思う。国土の約七割を森林が占めるという国で、あなたもぜひ自分を「癒してくれる」森を見つけてみませんか?


「森のごちそう」

(社)日本アロマ環境協会 事務局 布施麻子さん

「森林セラピーってどんなことをするのかしら?」

アロマテラピーの団体で働く私は、予防医学や自然療法に関心があり、 森林セラピー という響きを耳にすると、まずはインターネットで検索。「水療法」「運動療法」「食事療法」「植物療法」「秩序療法」の5つで成り立っていることを知りました。ただの森林浴だと思っていたので、参加2ヵ月前にしてますます期待が募ったものです。

仕事の繁忙期の真っ只中、山ほど背負ったストレスを都会に置き去り、勢いよくぐんぐん離れていく車窓を眺めていると、どんどん楽な気持ちになりました。都会特有の他人への無関心も置き去ってきたのか? はたまた小国の清々しい空気と温かい現地の方のもてなしの力か? 地元の食材で作られた美味しいお弁当を食べながら他の参加者とも自然と親しくなりました。

森林セラピーメニューはどれも期待以上!! 例えば、ゲルマニウムやナトリウムを多く含む温泉は入るだけで踵がツルツルになったり、素敵な栄養士さん監修の地元食材を用いた料理はいくら食べても体重が増えなかったり。また、森林散策では、木漏れ日の中、フィトンチッドを浴びながらの心地良い運動だけでなく、またぎの小父さんが熊笹で湧水を飲むためのコップや杖を作ってくれた温かいもてなしに優しい気持ちになったのは私だけでないはず。さらに、心身の自然との調和を求めて、自分の好きな木としばらく同化すると自然の中に自分を解放することができ、毎朝自然から英気をもらい、森時間で過ごすことにより理想的な生活リズムを取り戻すことができました。小国の森を振り返ってフレグランスを作りアロマテラピーを楽しんだことは、香りという記憶から都会に戻った後も森での解放感や優しい気持ちを思い出すきっかけになるでしょう。

実は、都会に戻ってすぐ、また行きたいと思ってしまい、現在、次のセラピー基地を物色中です。みなさまもどうぞ騙されたと思って一度お出かけください!

※このレポートは森林セラピー®プロジェクト小国実行委員会小野会長(小国町長)による報告です。